音楽制作は、独自のクリエイティブなプロセスを要するため、快適で効率的な作業環境が不可欠です。
本記事では、DTMデスク(デスクトップミュージックデスク)の重要性と、音楽制作における役割について詳しく探っていきます。
初心者から一般の読者まで、音楽制作に興味がある方々に向けて、DTMデスクの選び方、機能、メリットなどについて解説します。
DTMデスクとは?メリットも解説
DTMデスクは、デスクトップミュージック制作に特化した専用の作業スペースです。
このデスクには、機材を収納するための棚やラック、ケーブルを整理するための専用スペースが備わっています。
DTMデスクがあると、作業効率・ストレス軽減・集中力向上・創造力を引き出す、などの大きなメリットがあります。
以下、メリットについて詳しく解説します。
・適切な配置によって作業効率上昇
音楽制作において、コンピューターや機材を効率的に配置し、快適な作業環境を提供する役割を果たします。機材やコンピューターを適切に配置することで、作業効率を向上。必要な機材やツールが手の届く位置に配置されていれば、作業中の移動や探し物の時間を削減できます。
・ケーブル専用スペースでストレス軽減
音楽制作には多くのケーブルが必要ですが、DTMデスクにはケーブルを整理するための専用スペースや通路が備わっています。ケーブルの絡まりや乱れを防ぐことで、作業中のストレスを軽減します。
・集中力向上
DTMデスクは快適性と集中力の向上にも貢献します。
作業環境を整えることで、クリエイターは集中力を高め、より深い音楽制作体験を追求できます。高さ調節やモニターポジションの調整など、個々の好みや体の特性に合わせたカスタマイズも可能です。
・創造力を引き出す
DTMデスクは音楽制作の品質や効率に直結する重要な要素です。自分に最適なDTMデスクを選ぶことは、創造力を最大限に引き出し、クオリティの高い作品を生み出すための重要なステップになります。DTM作業において、メンタル面の重要性は驚くほど大きいです。
快適で効率的な作業環境を実現するために、DTMデスクは欠かせないパートナーとなります。
DTMデスクの選び方
DTM(デスクトップミュージック)を行う際、適切なデスクの選択は重要です。
快適な作業環境を手に入れるためには、MIDIキーボードの大きさやデスクの機能、収納力などを考慮する必要があります。
サイズと配置: 自分の作業スペースのサイズや形状に合わせて、適切なサイズのDTMデスクを選びましょう。スペースが限られている場合は、コンパクトなデスクが適しています。また、機材やモニターの配置に適したデスクの形状や棚の位置も考慮しましょう。
機能と拡張性: DTMデスクにはさまざまな機能や拡張性があります。例えば、追加のラックスペースやモニターアームの取り付けが可能なデスクなど、将来的なニーズに合わせて選ぶと良いでしょう。必要な機能や拡張性を事前にリサーチし、自分の作業スタイルやニーズに合ったデスクを選びましょう。
デザインと耐久性: デスクのデザインは、作業環境の雰囲気や快適性に影響を与えます。自分の好みやスタイルに合ったデザインを選ぶことで、より快適な作業環境を実現できます。また、耐久性のある素材や頑丈な構造を持つデスクを選ぶことで、長期間の使用に耐えることができます。
以下、DTMデスクの選び方を詳しく解説します。
サイズ
DTMデスクの上に置くツールで、最も大きなものはMIDIキーボードです。
DTMデスクの横幅と奥行きは、MIDIキーボードよりも大きなサイズを選びことが最低条件です。
DTMデスクの上には、他にもパソコンやモニタースピーカーも設置するため、余裕のあるデスクサイズが必要になります。
MIDIキーボード
MIDIキーボードのサイズには特に気を付ける必要があります。
MIDIキーボードは、音楽の演奏や作曲に使用されるキーボード型のコントローラーです。音符や和音を演奏することができ、MIDI信号としてコンピュータに送信されます。
MIDIキーボードには異なるサイズと機能のモデルがあります。小型のキーボードは携帯性に優れ、旅行や移動中に使用するのに適しています。一方、大型のキーボードは演奏性が高く、ピアノのようなタッチ感を追求したい場合に求められます。
25鍵,32鍵:
外出時に持ち運んだり、野外で使ったりする機会が多い方に適したMIDIキーボード。
室内での使用においても、スペースを取らないのでかさばりません。
49鍵,61鍵:
最もポピュラーな鍵盤数。弾きやすく、置きやすい、バランスに優れています。
普段から両手で鍵盤を弾く方は、最低でもこの鍵盤数が欲しい。
88鍵:
グランドピアノと同じ鍵盤数で、大きいです。
本格的にピアノ演奏などをする方にオススメ。
以下、各鍵盤数のMIDIキーボードを2例ずつ抜粋。
鍵盤数 | 横×縦×高さ(cm) 重量 |
---|---|
25鍵 | ・microKEY2-25 39.5×13.1×5.3 0.65kg ・IK Multimedia 37.3×20.8×6.5 1.26kg |
32鍵 | ・Mini32 MK3 41.8×10.5×2.0 0.45kg ・A-300PRO 60.6×25.1×9.1 2.9 kg |
49鍵 | ・microKEY2-49 AIR 70.9×13.9×5.4 1.4kg ・Keystation49 mk3 82.2×18.9×6.8 2.14kg |
61鍵 | ・microKEY2-61 AIR 85.0×13.9×5.4 1.7kg ・Keystation 61 MK3 99.5×18.9×6.8 4.1kg |
88鍵 | ・Keystation88 MK3 138.0×21.6×7.3 6.24㎏ ・Hammer88 Pro 142.2×28.2×12.7 18.5kg |
高さや重さはばらつきが出やすいです。高いほど重く、高性能な傾向はあります。
88鍵の大型MIDIキーボードを置く場合は、横幅が140cm以上のデスクを選びましょう。
61鍵盤を使う場合でも、最低でも幅が100cm以上のデスクが必要です。
モニターやMIDIキーボードの奥行きも考慮しましょう。
モニターで20~30cm、MIDIキーボードも20~30cmあります。
デスクの奥行きは最低でも60cm以上、快適な作業スペースを確保するためには60cm以上が望ましいです。
長時間の作業でも顔がモニターに近づきすぎないようにするためにも、奥行きの余裕は重要です。
推奨サイズ
鍵盤数 | 横幅×奥行き(cm) |
---|---|
25鍵 | 40×60* |
32鍵 | 60×60* |
49鍵 | 85×60 |
61鍵 | 100×60 |
88鍵 | 140×60 |
*横幅のほうが奥行きより狭いDTMデスクというのはあまり考えられないので、やはり横幅は1mほどは確保したいです。
上部の台座の有無
・天板の上部に台座があるデスクは便利です。ノートパソコンなどの置き場に。
・台座にPCモニターやスピーカーを設置できるため、天板上のスペースを広く使えます。
・作業スペースが限られた部屋にもコンパクトに設置できます。
収納力の重要性
・多くの機材を使用するDTMでは、収納力の高いデスクがおすすめです。
・整理整頓しやすく、デスク上のスペースを広く確保できます。
・キーボードを収納できるスライドテーブルやラックの付いたデスクも便利です。
配線管理の考慮
・配線をまとめたい場合は、配線穴のあるデスクが便利です。
・コードが散らかりがちなDTM作業環境でも、きれいに保てます。
・配線穴の数や配置にも注目しましょう。
L字デスク
・L字型のデスクは、広い作業スペースを確保できます。
・2つの天板を使い分けることで、作業と機材置き場を分けることも可能です。
・椅子の向きを変えるだけで作業の切り替えが容易です。
・スペース効率が良く、部屋の隅にも設置しやすいデザインです。
自作:大小2つの机
既に候補となりそうな机がある場合、その机と別の机を組み合わせて、DTM用の机にする方法もあります。
DTMは机の上に複数の機材を置くので、小さい机を引き出しのような構造にすることで、DTM作業時だけ引き出して使用することができます。
寸法を細かく図らないと、無用な机が残ってしまう場合があるので注意。
個人的には、DTMに適した机を一つ購入する方がおすすめです。
DTMデスクのおすすめ
DTMデスクのおすすめは、MIDIキーボードの大きさや予算、デザインの好みなどで変わります。
本記事では、
・安いDTMデスク
・シンプルで頑丈なデスク
・収納性の高いデスク
・L字のDTMデスク
・61鍵盤に最適なDTMデスク
・88鍵盤に最適なDTMデスク
計6種類のおすすめDTMデスクをご紹介していきます。
安いDTMデスク
Jiandiのパソコンデスクです。
横幅120cm×奥行き50cm×高さ75cm。全体耐荷重は100kgで、安いけど頑丈です。
ラックがついており、モニターの置き場所を節約できます。
木製収納棚がついており、左右どちらにも組み合わせることが可能。
防水性、丸みを帯びた角でけがの予防、高耐久性の金属フレームなど、耐久性・ユーザビリティに優れたデスクと言えます。
木材と金属を組み合わせたユニークなデザインが特徴であり、スタジオやオフィスのインテリアにもマッチします。
横幅が120cmなので、88鍵盤ははみ出してしまいます。61鍵盤も乗りはしますが物足りないです。
しかし、49鍵盤以下のMIDIキーボードでの作業にはうってつけです。
シンプルで頑丈なデスク
横幅180cm×奥行き60cm×高さ70cm。全体耐荷重50kg。
サンワダイレクトのシンプルワークデスクシリーズ。
横幅は60/70/80/90/100/120/140/160/180の9種類から選ぶことができます。
DTMでは、MIDIキーボードの幅がネックになりやすいのですが、このデスクならその心配はありません。
25鍵盤の小型MIDIキーボードから、88鍵盤の大型MIDIキーボードまで、幅広く対応します。
とはいえ、DTMデスクにはスピーカーやパソコンなど、デスク上に複数のツールを置くスペースがいるので、横幅は120以上は欲しいところ。
DTMにおけるこのデスクの長所は、なんといっても幅の広さなので。
L字のDTMデスク
DOMY HOMEのゲーミングデスクです。
横幅130cm×奥行き130cm×高さ91.4cmとなっていますが、L字型で使うときの奥行きは50cmですね。
L字型だと横幅80cm×奥行き50cmが直角に2つ付いている状態になります。
耐荷重は左右の天板が45kg、台座11kg、中部版23kg。
台座はモニターの置き場所に。
天板の表面は「カーボンテクスチャデザイン」で、滑り止め効果があります。炭素繊維を使用した天板は耐摩耗性が高く、表面の傷つきを防ぐ。見た目の高級感もいい感じです。
側面に、モニターヘッドフォンやペットボトルを置けるホルダーフックもあり、余分な設置場所を使わずに済みます。
収納性の高いデスク
DORIS(ドリス)のパソコンデスクで、こちらもL字型。
横幅122cm×奥行き140cm×高さ126cm。
L字型で使うときの奥行きは60cmと40cmの天板2つになっています。台の高さは74.5cm。
耐荷重は、天板が30kg、サイドラックが8kg。
台座に加えて、収納ラックを複数備えており、機材の多いDTM作業には何かと便利なデスクです。
耐久性では他のおすすめデスクに比べるとやや劣りますが、利便性は非常に高い。
DTM作業だけでなく、PCゲームなど複数の用途を想定している場合に、特におすすめのデスクになります。
61鍵盤に最適なDTMデスク
プロスタイル(ProStyle) Home Recording Table KWD-100。
上部テーブルが横幅120cm×奥行き30cm×高さ104.5cm。
メインテーブルが横幅122cm×奥行き60cm×高さ78.5cm。
サブテーブル(下)が横幅100cm×奥行き40cm×高さ64cm。
本格派という言葉が似合う、DTMデスクです。
61鍵盤以下のMIDIキーボードで、快適なDTM作業が保証されます。
サブテーブルにMIDIキーボードを置き、メインテーブルにオーディオインターフェースやマルチエフェクターなど、DTMツールをフルに活用できます。
左右の側面にはハンガーフック、近くに配線穴もあり、DTM作業に欲しい構造が完備されています。
88鍵盤に最適なDTMデスク
プロスタイル(ProStyle) Home Recording Table KWD-200。
上部テーブルが横幅60cm×奥行き24cm×高さ97cmを2つ。
メインテーブルが横幅150cm×奥行き75cm×高さ84.5cm。
サブテーブル(下)が横幅100cm×奥行き40cm×高さ69.5cm。
88鍵盤のMIDIキーボードでの作業がしたいなら、このKWD-200の一択といっても過言ではありません。
もちろん、61鍵盤より小さなMIDIキーボードでの作業にも適しています。
上部テーブルが2つついており、モニタースピーカーを置いたり、デュアルモニターの置き場所としても活用できます。
キャスター付きなので、足元のベースプレートに機材を置いた状態で運べる点も、大きな魅力の1つ。
豪華さと高機能性を兼ね備えたDTMデスクです。
ProStyle KWD-200 DTMデスク
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DTMデスク Q&A
Q1: DTMデスクはどのような機能を提供しますか?
A1: DTMデスクは作業効率の向上やケーブル管理の簡素化、快適性の確保などの機能を提供します。
Q2: DTMデスクの選び方で重要なポイントはありますか?
A2: DTMデスクを選ぶ際には、機能性と拡張性、デザインと耐久性を考慮することが重要です。
Q3: DTMデスクの実例にはどのようなタイプがありますか?
A3: DTMデスクの実例には、モダンなスタジオスタイル、コンパクトで機能的なデスク、豪華で高機能なデスクなど、さまざまなタイプがあります。
Q4: DTMデスクの選び方が音楽制作にどのような影響を与えますか?
A4: 適切なDTMデスクの選択は、作業効率の向上や快適性の確保、集中力の向上など、音楽制作における重要な要素となります。正しいデスクの選択は、クリエイターとしての成長と成功にも繋がるでしょう。
まとめ DTMデスク
DTMデスクは、音楽制作の効率性と快適性を向上させる重要な要素です。
作業効率の向上、ケーブル管理の簡素化、快適性と集中力の向上など、多くのメリットがあります。
適切なDTMデスクを選ぶためには、サイズと配置、機能と拡張性、デザインと耐久性などを考慮することが重要です。
DTMデスクは音楽制作における重要なパートナーです。本記事で、ご自分に最適なDTMデスクを見つけて、より充実したDTM環境を実現していただければ幸いです。
DTMに必要な機材についての記事や、DTMに推奨されるPCスペックとおすすめパソコンについての記事もありますので、もしよければご覧ください。