4Kスマホで4K動画視聴はデメリット多い。



YouTubeなどの動画を見ていると、4Kの動画が飛躍的に増えてきました。

YouTubeだと2160p4Kですね。

YouTubeの画質選択で稀にある超高画質動画です。
YouTubeの視聴デバイスは、その多くがスマホによるものです。
では、スマホで4K動画を見ると、やはりとても綺麗に映るのでしょうか。

これが、実はそうとも限らないんです。
4Kの仕組みについて触れながら説明していきたいと思います。

4K動画とは

4k 動画

4Kというものを知らない方もいらっしゃると思います。ただ、知らないとしてもなんとなく聞いたことはある方が多いでしょうし、4Kの概念に興味がある方は多くないと思うので簡潔に述べます。

4K動画とはズバリ、「画質がとても綺麗な動画」のことです。

YouTubeの画質をクリックすると、

2160p4K 
1440pHD
1080pHD
  720pHD
  480p
  360p
  240p
  144p
  自動

となっていますよね。これは「自動」を除くと、下から画質が低い順に並んでいます。つまり上に行くほど画質が綺麗ということですね。
……ハイ、みなさん絶対に知っていますね。失礼しました。

動画によっては360pが最高画質だったり、720pが最高画質だったりと、動画によって選べる画質は違いますよね。
動画をアップロードする側が決めていることなので、視聴者にはどうしようもできません。

ちなみに、720p以上から右につく赤文字の「HD」とは、「High Definition」の略です。日本語で「高精細度」の意味です。
つまり高画質ということですね。
その上に位置する4Kは超高画質ということです。

4K動画は、視聴機器(デバイス)も4K対応でないと見れない。

4k デバイス

4K動画を見るには、

・動画配信サイト(YouTube,Huluなど)にアップロードされている動画が4K対応
・視聴側が4K対応の視聴機器を持っている

この二つの条件を満たしている必要があります。

ノートパソコン・スマホは4K対応のものを持てばいいです。
デスクトップパソコンの場合だと、パソコン本体と、液晶ディスプレイも4K対応していないといけません。あと、ディスプレイとデスクトップを繋ぐ端子も4K対応のものが必要です。

YouTubeの動画はほとんどが1080pが最高画質

youtube 画質 youtube

Youtubeのほとんどの動画は、最高画質が1080pだと思います。youtuberが日々アップする動画や、ミュージシャンがアップするMV(Music Video)も最高画質は1080pばかりです。

なぜ最高画質を1080pにしているかというと、現在普及しているパソコンやスマホの画面で見れる最高画質が1080pだからです。
1080p以上の4Kに対応しているモニター(ディスプレイ、画面)はそう多くありません。

撮影側は、4K対応の撮影が可能な機器を使用していることも多いはずです。
有名YouTuberや有名アーティストは資金も潤沢なので、大事な機材にはお金を惜しまないでしょうし。

ではなぜ、4K画質で動画をアップしないかというと、それは視聴者のことを思ってのことだと思います。
4k youtube

仮に視聴者のYoutuberなどのアップロード側が4K画質で動画を上げたら、視聴者のスマホやパソコンが4Kに対応していなくても、画質選択に表示されます。

でも、ほとんどの視聴者はその最高のパフォーマンス画質で見ることはできない。
そうしたら不満が残りますよね。
動画を上げている人物が好きであればあるほど、悲しくなってしまいます。
そういうことが起きないようにするためだと思います。

あと、Youtubeを見るデバイスはパソコンよりもスマホからが圧倒的に多いです。
スマホの小さな画面では、720pHD以上になると、その違いがほとんど認識できません。
720pHDで十分すぎるほど綺麗な動画が、スマホでは見れるということですね。

画面が小さいスマホは、720p以上あれば大差ない

画面 ピクセル

動画の画面は小さな点の集まりでできています。高画質な動画ほど、この小さな点の数が多くなります。
点が多いほど、細かいところまで描写できるので。

点の最小単位のことをピクセル(pixel)と言います。720pのpはピクセルのことです。画質の単位のようなものですね。

マインクラフトを考えると分かりやすいかもしれません。マインクラフトのキャラや風景はボコボコしてますよね? 少ないドット(点)で構成しているからです。
ピクセル 画質

では、本物さながらの3Dゲームのキャラクターや風景は? あの美麗な映像をつくりだしているのは、極小の点の集まりです。
同じ大きさの画面でも、きめ細かな画像を表現しようとすると、それだけ多くの点が必要になるんですね。

それがスマホやパソコンの画面(モニター、ディスプレイ)の画質にも当てはまるという話です。
YouTubeの画質別に言うと、

2160p4K  : 3840 x 2160
1440pHD : 2560 x 1440
1080pHD1920 x 1080
720pHD  1280 x   720
480p      :  854 x   480
360p      :  640 x   360
240p      :  426 x   240
144p      :  256 x   144

2160pだと横に3840、縦に2160、画面全体だと3840x2160=829万4400個の点で構成されています。
1080pは1920x1080=207万3600個、720pだと1280x720=92万1600個。

つまり1080pと720pでは単純計算でいうと、画質に2倍以上の差があるということですね。それなのに、スマホだと大して違いが分からないのはなぜでしょうか。

人間の網膜の限界

スマホ ディスプレイ ピクセル

スマホの画面は小さいです。大型の液晶ディスプレイもスマートフォンも画質が同じなら、画面が小さいほど点も小さくなります。

ディスプレイやビットマップ画像における解像度を示す単位に「ppi(pixel per inch)」というものがあります。別名「画素密度」とも呼ばれます。

ppiは1インチ(1平方インチではない)あたりのピクセルの数を表すのですが、人間の網膜が認識できるのは300ppi前後と言われているんです。

例えば、iPhone7の画面サイズが4.7インチだった場合、720pの画面は312ppiです。
人間の網膜の限界値ですね。
1080pだと469ppiです。認識できる限界の300ppiを大きく超えています。

あと、iphone7自体の画面ピクセル数のほとんどが1334×750なので、1080pの動画には対応できないスマホが多いです。

ちなみに計算式は三平方の定理を応用します。
PPI(画素密度) = √(横² + 縦²) ÷ インチ数

動画配信サービス(VOD)でも、4K対応は少ない

Hulu、Netflix、U-NEXT、Amazonプライムビデオ、などなど日本には多くの動画配信サービスがありますが、4K動画を配信しているVODは少ないのが現状です。

Amazonプライムビデオ、Netflix、U-NEXTは、4K対応動画を配信しています
下記リンクから公式サイトに飛べますので、よければご覧ください。

Amazonプライム・ビデオ
Netflix 
U-NEXT 

4K動画コンテンツは今後増えていくのは間違いありません。
技術の進歩もそうですが、動画配信サービス(VOD)は成長市場で日々シェアの奪い合いが盛んです。
一人でも多くの顧客をつかむために、4K動画コンテンツが重要な要素になるのは間違いないからです。

動画配信サービスが成長すれば、サービス内容も向上していきます。今後のVOD市場が楽しみですね。


4Kに対応しているスマホがあるのも事実


スマートフォンという画面の小さいデバイスでは、4K画質で動画を見ることの利点は少ないことを述べましたが、4K対応のスマホは存在します。

富裕層に向けた高級品志向というか、ブランド品のように見られることの多い高額スマホです。

一応私も持っています。
Xperia XZ Premiumというスマホです。全然富裕層とかではなく、ただのガジェット好きなオタクなんですけどね。

実際のところ、4K動画とHD動画を見比べても全く同じに見えるかというと、そうではありません。

4K動画とHD動画を見比べて、どちらが4K動画か分かるのかという実験が行われたことがあり、その実験で回答者たちは高い確率で正解しています。

私も自分でやってみて、正解しました。
(何回もやってみてわかったんですが、一度違いが認識できると、どの動画で見ても間違いませんね。たまたま違いが分かりやすい動画だけだったかもしれませんが)

「え? さっきと言っていること違う…」と思った方、紛らわしくなって申し訳ありません。

この実験で、回答者たちはまず最初に「どっちも同じくらい綺麗」と述べるのです。
そして「奥行きがこっちのほうがあるような……」「こっちのほうが色が鮮やかなような……」といった理由で選ぶのです。
こっちの動画のほうが「綺麗」とは言いません。

なんとなく高級な感じがするくらいの違いなんです。

人間には、視覚以外にも聴覚・触覚・味覚・嗅覚があります。視覚だけを見ても、明るさ・奥行きの知覚・空間把握など様々な能力があります。

4K対応スマホは、4K未対応のスマホより、画質以外のあらゆる面でも高性能です。
暗いシーンを綺麗に撮れる高感度、微妙なニュアンスの色まで描き出す幅広い色域、など。
奥行きは一概には言えませんが、色が鮮やかに感じるのは「幅広い色域」で説明できそうですね。

4Kスマホはデメリットが多い

4Kスマホで4Kの動画を見ることは、いくつかのデメリットがあります。

・データ容量が増える。
動画や画像を鑑賞する際、表示するディスプレイは多くのドットの点灯、点滅、消灯、色分けを管理しています。4Kになると、より多くのデータ量を扱うことになります。
通信速度制限が起きやすくなります。

・バッテリーの減りが早い。
動画の画質が高ければ高いほど、バッテリーの消費も早くなります。

・動画や画像の一部が小さく表記されてしまう。
動画や画像の一部が小さく表記されるというのは、ドットバイドット(dot by dot)の状態(またそれに近い数値)での話です。
ドットバイドットとは、写真や動画が1ピクセルにつき1画素の割合で表示される状態の事を言います。

簡単に言うと、この状態ならどんな環境でも同様の品質で画像や動画が見られます。

画像や動画は、無数の点の集合体で出来ています。
画像や動画のサイズに比べモニター(ディスプレイ)の表示サイズが小さかったり大きかったりした場合、モニタの表示サイズに合わせてリサイズして表示させるのが一般的です。

dot by dotとは、このリサイズを行わずデータの解像度そのままのサイズで表示させることです。
当然、リサイズ由来の品質の劣化が発生しないため、高品質な動画の視聴が可能になります。

半面、リサイズしなければ、4Kをドットバイドット表記にすると文字が小さすぎて、読むのが難しくなるんです。

例)4Kは829万4400ピクセル&画素、1080pは207万3600ピクセル&画素。4倍の差がありますよね。4Kスマホは平均的なスマホより、文字が1/4(4分の1)ほどの大きさになってしまいます。

リサイズすれば解決する問題なのですが、4Kスマホの購入者の中には「画面を複数分割表示しても綺麗に見れるかも?」という期待を抱いている方がいたようなのです。
複数の資料を読んだりする際には、一度に全ての資料が見渡せると便利ですからね。
でも、スマホ画面の大きさでは、いくら鮮明に映る4Kといっても、文字そのものが小さすぎて本末転倒ですよ、という話でした。

iPhone8とiPhoneXは4K対応?

ちなみに、最近話題のiPhone8とiPhoneXはどうでしょうか。ディスプレイの仕様を見てみましょう。


iPhone8

Retina HDディスプレイ
IPSテクノロジー搭載4.7インチ(対角)ワイドスクリーンLCD Multi‑Touchディスプレイ
1,334 x 750ピクセル解像度、326ppi
1,400:1コントラスト比(標準)
Retina HDディスプレイ
IPSテクノロジー搭載5.5インチ(対角)ワイドスクリーンLCD Multi‑Touchディスプレイ
1,920 x 1,080ピクセル解像度、401ppi
1,300:1コントラスト比(標準)
iPhone8には4.7インチと5.5インチ画面の2機種ありますが、どちらも4Kには対応していませんね。5.5インチは1080pHDまでの高画質動画に対応しています。


iPhoneX

Super Retina HDディスプレイ
5.8インチ(対角)オールスクリーンOLED Multi-Touchディスプレイ
HDRディスプレイ
2,436 x 1,125ピクセル解像度、458ppi1,000,000:1コントラスト比(標準)
True Toneディスプレイ
広色域ディスプレイ(P3)
3D Touch
最大輝度625cd/m2(標準)
耐指紋性撥油コーティング
複数の言語と文字の同時表示をサポート
こちらも4Kには対応していませんね。ですが、1080pより上の1440p動画をある程度楽しめるようです(1125pなので)。
人間の認識できる300ppiを大きく超える458ppiなので、違いを明確に感じることは難しいかもしれませんが。

4K動画は大きな画面での視聴がオススメ

小さな画面では、4K動画の良さはあまり実感できません。
4Kの美麗な画質を堪能するには、ある程度の大きさを持った画面サイズが必要です。


一例としてはテレビ、ノートパソコンや液晶モニター(ディスプレイ)での視聴です。

テレビ

43型(インチ)や50型など大型のものが人気です。

ノートパソコン

4K対応のノートパソコンは、15.6型が人気です。
実際に、4K動画を楽しめる画面サイズなのかppiを出してみましょう。

結果は282ppiとなりました。300ppi以下なので4K動画の美しさを十分に楽しめます。300という数字に近いのは、それだけ4K対応という機能を重視しているからでしょうね。これ以上小さな画面だと、4K対応の良さを押し出せないということだと思います。

300ppiを超える小型画面の4K対応ノートパソコンもあるにはあります。

デスクトップパソコン+液晶モニター+端子

デスクトップパソコン+液晶モニター(ディスプレイ)による鑑賞であれば、画面サイズはある程度大きいほうが楽しいです。

上記のノートパソコンのように15.6インチでも4k画質は堪能できますが、仮に50インチという大画面でも、4k画質なら細部まで驚くほど綺麗に描き出します。




ちなみに、4Kで300ppiを上回る画面は14.7インチよりも小さな画面モニターです。
その点、液晶ディスプレイで4K動画を十二分に楽しめるのかという心配は無用ですね。
液晶ディスプレイは、どんなに小さくても15.6インチが最小でした。


スマホにおける4K画質のメリット

4Kスマホのデメリットばかりを並べ立ててきました。

では、
・4Kスマホは人気がないのか
・4Kスマホは評判が悪いのか

と言うと、それは違います。

4Kスマホは非常に人気があり、評判や評価も高いです。

機種名でいうと、
・ソニー「Xperia XZ Premium」
・サムスン「Galaxy S9」
・ASUS「ZenFone 5」
などです。

カメラで4K画質の撮影ができる

4Kスマホのカメラ性能は、高性能カメラ顔負けです。
4K画質での撮影が可能なだけでなく、手振れ補正などの機能も優れています。

4Kスマホで撮影したものを、4K画質対応のパソコンやモニター・テレビにつないで鑑賞すると、スマホで撮影したとは思えないほどの美麗な映像を楽しむことができます。


私はパソコンで動画編集を行うことがあるのですが、動画の素材は4Kスマホによるものが多くあります。
カメラ性能が優れているので、動画編集用の素材にも打ってつけです。

スマホは基本的に持ち歩くものなので、いざ4Kで撮りたくなった時、専用のカメラがないといった機会損失が起こらないのも大きな魅力です。

4Kスマホは超高性能

4Kスマホは一般的なスマホよりも高価なため、多くの方が購入前に4Kスマホについて調べます。

そのため、スマホではフルHDも4Kもあまり違いが分からない、ということを知っている方は多いです。

それでも4Kスマホが人気かつ好評なのは、画質以外にも多くの高機能な面があるからです。


カメラが高機能(高画素数・4K撮影可能)
スクロールやアプリ起動が速い。ヌルヌル動く。
音質が優れている
バッテリーが長持ち(同じ使い方をする場合)


私は4K撮影可能なカメラ機能に惹かれて購入しましたが、スクロールやアプリ起動の高速性・快適さを求めて購入する方も多いようです。


まとめ

4K動画を十二分に楽しむには、スマホの小型画面では難しいです。

しかし、4K対応のスマホは存在し、中でもソニーの「Xperia XZ Premium」は評価が高いです。
私もこれです(2回目失礼)。

Youtubeのようなストリーミング再生は外出先だとなかなか使えませんが、ダウンロード対応のVOD(動画配信サービス)からあらかじめダウンロードしておいた動画を見ることはよくあります。

「今、すごい綺麗な映像をみているんだな」という得した気分を味わえます。

特に色彩の鮮やかさは素晴らしいです。

Xperiaの、
・色域とコントラストの豊かさ
・動画再生時の高画質処理
・明るい屋外でも快適な輝度
が美麗な映像に大きく貢献しています。

「クアッドコアプロセッサーによる高速な読み込み」や、「メモリーとストレージの大容量化」もガジェット好きの琴線に触れるポイントになっています。


・ネットやアプリ起動をより快適に行いたい方
・携帯性の高い4K撮影用カメラが欲しい方
・本格的な音楽鑑賞を楽しみたい方
にとって、4Kスマホは非常に魅力的です。




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