Stable Diffusionの推奨スペック&おすすめPC【AIイラスト生成】

stable diffusion パソコン

Stable Diffusionが登場してから、CGイラストの常識が一変しました。指示文(プロンプト)を入力するだけで、AIイラストを自動生成することができるようになったからです。

・今持ってるパソコンだと動作が重すぎる。
・Stable Diffusionに必要なパソコンのスペックってどのくらい?
・快適に使うにはいくらくらいのパソコンがいる?

などの疑問を持つ方が非常に増えています。


Stable Diffusionは本物と錯覚するような美麗なグラフィックを描き出すことができますが、その分パソコンの処理作業も大きい。

グラボ(グラフィックボード)が特に重要で、グラボの性能が高ければ、AIイラスト自動生成にかかる時間の短縮につながります。エラーを起こさないためにも大切です。


この記事では、Stable Diffusionをローカル環境で使うために必要なPCスペックと、おすすめのパソコンをご紹介していきます。



Stable Diffusionの推奨PCスペック【AIイラスト自動生成】

Stable Diffusion スペック

月額課金がなく、AIイラスト自動生成を無制限で使用するには、Stable Diffusion WebUIをローカル環境にインストールする必要があります。

Stable Diffusion WebUIは無料ですが、快適に使用するには高性能なパソコンが必要で、特にグラボの性能が重要になってきます


Stable Diffusionに必要なパソコンのスペックを、ざっくりと述べると下記のようになります。

・CPU:Core i5/Ryzen5以上
・メモリ:16GB以上
・グラボ:最重要。VRAM8GB以上
・ストレージ:好みだが500GB以上欲しい

以下、各パーツの説明とともに、最低限スペック・推奨スペックの解説をしていきます。

CPU

cpu

CPUはそれほど重要ではありません(グラフィックボードと比べての話ですが)。

CPUはパソコンの頭脳のような役割を果たします。回路の制御やデータの演算など、パソコンになくてはならないパーツですが、画像処理に使用される負担は少ないです。

AIイラストの自動生成であるStable Diffusionは、CPUのグラフィック処理に特化したグラボがその処理作業を担うので、CPUの性能はそれほど必要ないのです

画像生成という名の通り、グラフィック処理に特化したグラボが重要な役割を果たします。

高性能なグラボを搭載したパソコンには、極端にスペックの低いCPUがついてくるようなことはありません。

グラボを基準に考えればOKです。


CPUはIntel社の「Core i」・AMD社の「Ryzen」による2択ですが、どちらでも構いません。同じくらいのコストパフォーマンスです。

ただし、低性能なCPUである「Atom」「Celeron」「Pentium」は、絶対に選んではいけません。

Stable DiffusionではCPUの性能はあまり必要ないですが、低すぎると支障が出ます。

Stable Diffusionのためだけにパソコンを購入する方も少ないと思うので、他の用途でも支障が出るのは必然です。

高性能なグラボを搭載していてCPU性能が極端に低いパソコンというのはほとんどないので、自作を考えている方だけが気を付ければいいとは思いますが。


【CPU性能】
Atomダメ
Celeronダメ
Pentiumダメ
Core i3
Ryzen3
まあOK
Core i5以上
Ryzen5以上
OK!


メモリ

メモリ

Stable Diffusionを快適に使用するには、メモリは16GB以上必要です。メモリはCPUの補助的な役割を果たしているパーツです。

以下、公式サイトからの引用。
プログラムをスムーズに実行するには、16 GBの通常のRAMが必要です。8GBの RAMがある場合は、8GBのページファイル/スワップファイルを作成するか、--lowramオプションを使用することを検討してください (RAMよりも多くのGPU VRAMがある場合)。
8GBでも動作しますが、快適に使用することは難しくなります

メモリが足りないと、イラスト生成時にエラーが発生します。

生成画像の大きさや解像度を高く設定すると、エラーが発生する確率は上がります。出来たとしてもかなりの時間を要することになります。

Lora学習(特定のキャラの画像を学習させることで、そのキャラにポーズなどを指定して画像生成させる)などStable Diffusionでも高負荷の作業を行いたい方は、32GB以上のメモリが欲しいです。


【メモリ容量】
8GB厳しい
16GB基本的な動作が可能
32GBLora学習など
高負荷な作業が快適


グラボ

Stable Diffusion グラフィックボード

Stable DiffusionでのAIイラスト自動生成には、高性能なグラボが必要です。

グラボ(グラフィックボード)は主に、グラフィック処理に特化したGPUと、それを補佐するVRAM(GPU版のメモリ)で構成されています。あとは冷却用のファンと、それらの骨組みとなる基盤。


グラボにはNVIDIA社のGeForceと、AMD社のRadeonがあるのですが、効率が圧倒的にNVIDIA社のGeForceが上です

AMD社製のRadeonだと性能が著しく低下します。最適化がほとんどされていないからです


この差は、Stable DiffusionがNVIDIA社のグラボでの使用を前提にして開発されたからです。

Stable Diffusionに限らず、いろんなプログラムがNVIDIA社のグラボをもとにつくられます。

これは、NVIDIA社のGeForceがグラフィックボード市場で最も普及しているからです。

基本的にこういった新しい技術では、普及率が高い製品を前提に作るので、少数派のAMDとは相性が悪いつくりが多くなってしまいます。

PCゲームなども、数年前まではNVIDIA社の独壇場でした。

最近では、PCゲームでも編集ソフトでも最適化が進んでおり、AMD社のグラボも有力な候補ですが、Stable Diffusionに最適化するのはもう少し時間が必要なようです。

Stable Diffusionもいずれは最適化が進み、AMD社のグラボでも高効率のパフォーマンスを発揮できるようになるでしょうが、出てきたばかりの今は、まだ効率が悪いと言わざるを得ません。


【グラボ:メーカー】
グラボNVIDIA社のGeForce
が圧倒的に優れる


GPU

Stable Diffusion GPU

グラフィックボードに組み込まれているGPUは、グラフィック処理に特化したCPUのようなものです。

GPUはAIイラストの生成速度に影響を与えます。GPU性能値が高いほど、生成速度が速い。

GeForce RTX 4060を例に出すと、「4060」は「40(世代)60(性能)」を表しており、世代・性能ともに数字が大きいほど高性能です。

GeForce RTX 3060:17200
GeForce RTX 3070:22500
GeForce RTX 4060:19500
GeForce RTX 4070:26800

性能の数字が特に大きく影響し、4060と4070では性能が大きく違います。また、世代は古くても、性能の数字が大きい3070のほうが4060よりも性能値は高い。

ゲーミングPCにおいてGPU性能値は何より重要といえます。ただし、Stable Diffusionにおいては、GPU性能値よりも後述するVRAM(ビデオメモリ)容量のほうが重要です。

VRAM容量は生成可能な画質・サイズに影響を与えます。VRAM容量が大きいほど高画質・大サイズなAIイラストを生成できる。

Stable DiffusionはPCゲームや動画編集などの用途に比べて、VRAMを圧倒的に消費します。そのため、VRAM容量を基準にしたほうが適したパソコンを選ぶことができます。

VRAM容量が大きいのに、GPU性能値が極端に低いグラボというのは存在しないので安心してください。


【グラボ:GPU性能】
GPU性能
性能値が大きいほど、
AIイラストの生成速度が速い
選び方/
基準
GPU性能値よりも、
VRAM容量を基準に選ぶ


VRAM

Stable Diffusion VRAM

グラフィックボード版のメモリであるVRAM(Video RAM:ビデオメモリ)について以下、公式サイトからの引用です。
VRAM の容量が少ない (4GB 以下) ビデオ カードで実行すると、メモリ不足エラーが発生する可能性があります。コマンド ライン引数を通じてさまざまな最適化を有効にすることができ、VRAM の使用量を減らして速度の一部または大幅を犠牲にすることができます。
公式サイトでVRAMについての記載があるのは、GPU性能が低くても時間をかければ大きくて高画質なAIイラストを生成できるが、VRAMのメモリが少ないとそもそも生成できないからです

Stable Diffusionでは、VRAMの容量が少ないとスペック不足でエラーになってしまうことがあります。

4GBだと、そもそも起動が難しい。

6GB以上で起動が可能ですが、画像を大きくしたり解像度を上げると、エラーが頻発してしまいます。

最低でも8GBのVRAM容量が欲しい

日常的にStable DiffusionでのAIイラスト自動生成を考えている方は、12GB以上の容量をもったVRAM搭載のグラフィックボードを用意したほうがいいです

具体例を言うと、
・GeForce RTX 3060(VRAM12GB)
GeForce RTX 4070(VRAM12GB)
GeForce RTX 4080(VRAM16GB)
GeForce RTX 4090(VRAM24GB)
などが該当します。

ただし、上記はデスクトップPC用グラボのVRAM容量。ノートPC用グラボは同じ型番でもGPU性能、VRAM容量ともに少ないため注意

ノートパソコン用グラボだと、
GeForce RTX 4080(VRAM12GB)
GeForce RTX 4090(VRAM16GB)
などが該当。


【グラボ:VRAM容量】
4GBダメ
6GB
厳しい
8GBOK(簡易な使用のみ)
12GBOK!(時間はかかるが、
高画質やポーズ指定も可能)
16GB
以上

OK!(複雑かつ大容量の
作業が短時間)


目安

Stable Diffusion 生成 目安

グラボの性能によって、Stable Diffusionで生成できるAIイラストの画質や大きさ・生成速度は大きく変わってきます。

NVIDIA社のGeForceを例に出すと、

GeForce RTX 3060(VRAM12GB)だと、512×512(一辺約14cm)のAIイラストは4~5秒かかります。ちなみに画質はとても綺麗です。Stable Diffusionのデフォルト設定で画質は最初から美麗。

GeForce RTX 3060の「RTX」はリアルタイムレイトレーシングという意味で、実写に近いCGを作りますよ、というNVIDIA社の意気込みみたいなものです。

最新世代である「GeForce RTX 4000」シリーズが最高効率


1枚、512×512(一辺14cmくらいの正方形)で生成すると下記のような生成時間になります。512×512はデフォルトの大きさ。

【グラボ:生成時間 512×512】
GTX 1650(VRAM 4GB) 30秒 
GTX 1660(VRAM 6GB) 20秒
GTX 1080(VRAM 8GB) 11秒
RTX 3050(VRAM 8GB)  6秒
RTX 3060(VRAM12GB) 4.5秒
RTX 3070(VRAM 8GB)  3秒
RTX 4070(VRAM12GB) 2秒
RTX 4080(VRAM16GB) 1.4秒
RTX 4090(VRAM24GB) 1秒

他の美麗さもデフォルト。画質や試行回数を減らせばもっと早くなるし、上げれば遅くなります(*上記はデスクトップ用グラボの結果。ノートPC用グラボだと同じ型番でも1.5倍くらいの時間がかかります)。

コストパフォーマンスの高さでいえば、同スペック帯に比べてVRAM容量が多い「GeForce RTX 3060」や、GPU性能値にも優れた最新型グラボの「GeForce RTX 4070」が候補に挙がります。

ただ、「GeForce RTX 3000」シリーズを搭載したパソコンは旧型になりつつあり、パソコンメーカーでの購入は品薄になっていて入手が困難になっています。

費用を抑えたい方は、「GeForce RTX 3060」のグラボを現在お持ちのパソコンに組み込むのも手ですが、個人的には最新型の「GeForce RTX 4070」のほうが、Stable Diffusionのアップデートにも高い効率を示してくれるので、「GeForce RTX 4070」搭載型のパソコンがオススメです。


Stable Diffusionのグラボは、性能だけでなく、世代もなるべく新しいものを選んだほうがいいです


SDXL目安

Stable Diffusion XL(SDXL)は、次世代Stable Diffusion(SD)という位置づけです。

2023年7月26日にリリースされており、学習ベースが[512×512]ドットから[1024×1024]ドットへと解像度が大幅に上がっています。

従来のStable Diffusionより高解像度で、苦手としていた指先や文字などの細かい描写力が向上しました。

個人的には、メカやロボットなどの機械の描写は向上していますが、人物描写のクオリティはそこまで変わっていない印象があります。従来のStable Diffusion(SD)が最初から高い完成度を持っているので。

Stable Diffusion XL(SDXL)ではAIイラストの生成画像サイズが、デフォルトで[1024×1024]になっていることからもわかるとおり、大きいサイズの画像を生成したいときに、特に真価を発揮します。大サイズでも細部の描写で破綻が起きにくい。

1枚、1024×1024(一辺28cmくらいの正方形)で生成すると下記のような生成時間になります。

【グラボ:生成時間 1024×1024】
RTX 3050(VRAM 8GB)  50秒
RTX 3060(VRAM12GB) 30秒
RTX 4070(VRAM12GB) 17秒
RTX 4080(VRAM16GB) 11秒
RTX 4090(VRAM24GB) 5秒

512×512から1024×1024なので、単純計算でも4倍かかりますが、実際には少し効率が落ちるため、4倍以上の生成時間がかかります。

VRAM容量が8GBのRTX3050は、約50秒かかります。これはVRAM容量の不足によるもの。VRAM容量が足りていれば40秒ほどで生成できるはずなので、VRAM容量の不足がどれほど生成時間の遅延に影響を与えてしまうかが一目瞭然です。

Stable Diffusion XL(SDXL)だと、VRAM12GB以上は推奨ではなく必須クラスですね。VRAM8GBだと生成はできても、効率が著しく低下します。

ただ、RTX 4090は効率にほとんど差がないため、高性能なグラフィックボードであるほど、Stable Diffusion XL(SDXL)とも相性がいいことがわかりますね。


ちなみに、Stable Diffusion(SD)が本体で、Stable Diffusion XL(SDXL)は強化パーツといった位置づけなので、いつでもStable Diffusion(SD)に戻して[512×512]サイズの画像を生成することができます。

Stable Diffusionを起動して、そのまま従来のバージョンを使用するか、SDXLにモデルチェンジして使用するか、といった感じです。起動してクリック1回で変更可能。


Forge目安

Stable Diffusion WebUI Forgeの目安です。ControlNetやFooocusを作ったlllyasviel氏によるAUTOMATIC1111(以降A1111)の改良版という位置づけで、ざっくり言うとSDXLの改良版です。

最低スペックはグラボのVRAMが6GBとなっており、VRAM使用量を抑えることに成功したバージョンとのこと。

実際、SDXLと比べると、画像サイズはそのままに、生成時間が約20%ほど短くなっています

【グラボ:生成時間 1024×1024】
RTX 3050(VRAM 8GB)  40秒
RTX 3060(VRAM12GB) 25秒
RTX 4070(VRAM12GB) 14秒
RTX 4080(VRAM16GB) 9秒
RTX 4090(VRAM24GB) 4秒

これからSDXLのデフォルトサイズ(1024×1024)のような大きい画像生成を行いたい方は、Forge版のほうがオススメになりそうです。

まだリリースされたばかりなので、すでにStable Diffusion Web UIでSDXLを導入している方は、安定性重視で従来のSDXLで様子見もあり。


ストレージ

ssd

ストレージはデータを保存するための場所で、Stable Diffusionをインストールする場所です。画像の保存場所としても必要ですね。

画像の保存場所はHDDでもいいですが、Stable Diffusionのインストール先は絶対にSSDにするべき。

HDDは容量当たりの値段が安い代わりに処理速度が遅く、SSDはHDDに比べると値段が高いですが処理速度が速いです。


Stable Diffusionを使用するには

・Stable Diffusion本体
・モデルファイル1つ

をインストールする必要があります

モデルファイルとは、自動生成するAIイラストの雛形(ひながた)のようなものです。

リアルな3DCGのような絵が得意なモデルだったり、アニメ長の萌えキャラみたいな絵が得意なモデルファイルなどがあります。

このモデルファイルを最低1つはインストールしないと、自動生成できません。

Stable Diffusion本体が6GBほどで、モデルファイルは1つ3~5GBほど。

OSのWindowsもしくはMacで30GBほど使用するので、Stable Diffusionのみの使用でも40GBほどを環境のみで使用します。

そこに自動生成した画像の保存場所に容量を使いますが、こちらはHDDに保存してもいいし、外部ストレージに保存してもいいのでそこまで気にする必要はないかと。


基本120GB以上のSSDを搭載しているパソコンがほとんどなので、ストレージ容量もそこまで気にする必要はありません


あくまでStable Diffusionのみの話なので、これに加えてPCゲームや動画編集などを考えている場合は、どのくらいストレージを使うかじっくりと考える必要はありますが。


【ストレージ:種類と容量】
ストレージSSD
容量人によるが、
最低でも100GBは欲しい



推奨スペック【まとめ】

今までの内容から、Stable Diffusionのパソコンは以下のようなスペックが推奨されます。

CPUCore i5以上/
Ryzen5以上
メモリ16GB以上
グラボ
12GB以上
・GeForce RTX 3060(VRAM12GB)
・GeForce RTX 4070(VRAM12GB)
・GeForce RTX 4080(VRAM16GB)
・GeForce RTX 4090(VRAM24GB)
など
ストレージSSD。容量は人によるが、
最低でも100GBは欲しい

*グラボはデスクトップパソコン用のVRAM容量。ノートパソコン用グラボは同じ型番でもGPU性能、VRAM容量ともに少ないため注意。

ノートパソコン用グラボだと、
GeForce RTX 4080(VRAM12GB)
GeForce RTX 4090(VRAM16GB)
などが推奨されます。




Stable DiffusionにはWindowsかMacか【AIイラスト自動生成】

Stable Diffusion Windows mac

OSはWIndowsを選んだほうが無難です。

公式サイトでも記されていますが、MacはWindowsに比べると非常に効率が悪いです。

現在、Web UI のほとんどの機能は macOS 上で正しく動作しますが、最も注目すべき例外は CLIP インタロゲータとトレーニングです。トレーニングは機能しているように見えますが、信じられないほど遅く、大量のメモリを消費します。CLIP インタロゲータは使用できますが、macOS が使用する GPU アクセラレーションでは正しく動作しないため、デフォルト設定では完全に CPU 経由で実行されます (これは遅いです)。

ネットに広がっている情報も、Windowsをもとにした情報が多数で、トラブル解決においてもWindowsのほうが対処しやすいというメリットがありますね。


【OS:Windows/Mac】
OSWindowsのほうが高効率
(Macは現状だと、やめたほうがいい)




Stable DiffusionにはデスクトップPCかノートPCか【AIイラスト自動生成】

デスクトップパソコン vs ノートパソコン

ローカル環境でStable Diffusionを動作するなら、デスクトップPCのほうがおすすめです。

同じ価格帯だと、ノートパソコンよりデスクトップパソコンのほうが高性能だからです。つまりデスクトップパソコンのほうがコストパフォーマンスが高い

Stable Diffusioを日常使いすると考えた場合、推奨スペックを満たしたパソコンを購入します。デスクトップパソコンなら15万円ほどで推奨スペックを満たしたパソコンを購入できますが、ノートパソコンだと20万円以上の予算が必要になります。

特にネックになるのが、グラフィックボード。デスクトップPC用グラボと、ノートPC用グラボでは、同じ型番でも性能は異なります。ノートPC用グラボは、収納スペースが狭く排熱性もデスクトップより悪いため、小型で消費電力を抑えたつくりになっています

「GeForce RTX 4070」を例に出すと、

デスクトップ用GPU性能値:26900
ノートパソコン用GPU性能値:19900

デスクトップ用VRAM容量:12GB
ノートパソコン用VRAM容量:8GB

となります。

GPU性能値はAIイラストの生成速度、VRAM容量は生成可能な画質・サイズに影響を与えるのですが、どちらもノートパソコン用グラボが劣ります

特に難しいのがVRAM容量。Stable Diffusionの推奨スペックでは、VRAM容量が最低でも8GB、できれば12GB以上ほしい。ノートパソコン用グラボにおいては、かなりハードルが高いです。

もちろん、「GeForce RTX 4080」「GeForce RTX 4090」などの超高性能グラフィックボードが搭載されていれば、ノートパソコンでもStable Diffusionをローカル環境で快適に使用できます

ノートパソコンは熱がこもりやすいので、長時間使用に不向きなことにも注意が必要ではありますが、予算さえあればノートパソコンでStable Diffusionを日常使いすることは可能です。

予算が潤沢にあり、コストパフォーマンスなどを気にしない方は、外出先での使用など、ノートパソコンにしかないメリットもあります。


【デスクトップPC/ノートPC】
デスクトップか
ノートか
デスクトップの方がコスパ高。
長時間使用も快適
ノートはダメ?結局は予算次第。
外出先で使えるメリットも魅力


ちなみにスマホは?

Stable Diffusionのような、高精度なAIイラストはスマホでは難しいです。

ただ、スマホのアプリにAIイラストの自動生成アプリはたくさんあります。

ざっくりとした指示で正確性が不明瞭ではありますが、自動生成自体はスマホでも可能です。

Stable Diffusionが他の生成AIイラスト生成より優れている部分は、オフライン環境で生成可能な点や、モデル学習で独自のイラストを形成したりする部分にあるので、スマホの性能では限界があります。

スマホでのAIイラストは、オンライン環境下・プロンプト(指示文)でざっくりとしたイラスト生成をするという形になります。




Stable Diffusionにおすすめのパソコン6選比較【スペックなど】

stable diffusion pc

これからご紹介するStable Diffusionにオススメのパソコン一覧です。

AIイラスト自動生成では、最重要パーツであるグラフィックボードの性能を重視して選んでいます。

・CPU:Core i5/Ryzen5以上
・メモリ:16GB以上
・グラボ:最重要。VRAM8GB以上
・ストレージ:好みだが500GB以上欲しい

デスクトップパソコンを3選、ノートパソコンを3選、計6つのパソコンをご紹介します。

パソコン
形態
価格
スペック

G-Tune DG-I7G7S

デスクトップPC
289,800円

CPU:Core i7-14700F
メモリ:32GB
グラボ:GeForce RTX 4070 SUPER
VRAM:12GB
SSD:1TB(NVMe)

G-Tune FG-A7G8S
デスクトップPC
459,800円

CPU:Ryzen 7 7700X
メモリ:32GB
グラボ:GeForce RTX 4080 SUPER
VRAM:16GB
SSD:2TB(NVMe)

DAIV FX-I9G90

デスクトップPC
649,800円

CPU:Core i9-14900KF
メモリ:64GB
グラボ:GeForce RTX 4090
VRAM:24GB
SSD:2TB(NVMe)

NEXTGEAR J6-A5G60GN-A

ノートPC
139,800円

CPU:Ryzen 5 7535HS
メモリ:16GB
グラボ:RTX 4060
VRAM:8GB
SSD:500GB (NVMe)

SENSE-17WG181-i7-VL2X icon
ノートPC
384,800円

CPU:Core i7-13700HX
メモリ:32GB
グラボ:GeForce RTX 4080
VRAM:12GB
SSD:1TB (NVMe)

SENSE-17WG191-i9-XLSX icon
ノートPC
449,700円

CPU:Core i9-13900HX
メモリ:32GB
グラボ:GeForce RTX 4090
VRAM:16GB
SSD:500GB (NVMe)




Stable Diffusionにおすすめのデスクトップパソコン3選

デスクトップPC1




価格289,800円
OSWindows
スペックCPU:Core i7-14700F
メモリ:32GB
グラボ:GeForce RTX 4070 SUPER
VRAM:12GB
SSD:1TB(NVMe)
重量約11.0kg
公式サイトG-Tune DG-I7G7S


グラボは最新世代のGeForce RTX 4070 SUPER、VRAMは12GB。

デフォルトの512×512サイズのAIイラスト自動生成なら、約2秒しかかかりません。

高画質・大サイズでのAIイラスト生成でも、ストレスを感じるほどの時間はかからないです。

普通、グラボは価格が高くなる割に性能の増え方は目減りするのですが、Stable Diffusionにおいては、このような高性能グラボのほうがコスパがよくなります。

Stable Diffusionを使って、何十枚ものAIイラストを次々と自動生成できる高スペックパソコン(レビューはこちら)。



デスクトップPC2




価格459,800円
OSWindows
スペックCPU:Ryzen 7 7700X
メモリ:32GB
グラボ:GeForce RTX 4080 SUPER
VRAM:16GB
SSD:2TB(NVMe)
重量約18.9kg
公式サイトG-Tune FG-A7G8S


グラボ GeForce RTX 4080 SUPERを搭載した高性能パソコン。

Stable Diffusion XLのデフォルトサイズ、1024×1024(一辺28センチほど)サイズでも短時間での自動生成が可能。

高解像度・大サイズのAIイラストをストレスなく生成できます。

高性能なグラフィックボードほどStable Diffusionとの相性は高く、生成時間も短くなる。この時間差は、Stable Diffusionを使う頻度が高いほど、効果を実感します。

予算が許すのであれば、非常に魅力的なパソコンです。




デスクトップPC3




価格649,800円
OSWindows
スペックCPU:Core i9-14900KF
メモリ:64GB
グラボ:GeForce RTX 4090
VRAM:24GB
SSD:2TB(NVMe)
重量約13.6kg
公式サイトDAIV FX-I9G90


市販のパソコンでは、最強クラスのスペックを誇る超高性能パソコン。

VRAMは24GB。メモリ不足とは無縁。

大サイズ・高画質なAIイラストも瞬く間に生成します。

AIに学習させて、ポーズや服装などの細かい指定をさせても、このパソコンならあっという間に自動生成が完了します。

最高の環境でStable Diffusionを楽しみたい方には、最高のパソコンです。






Stable Diffusionにおすすめのノートパソコン3選

ノートPC1

【マウスコンピューター】NEXTGEAR J6-A5G60GN-A


価格139,800円
OSWindows
スペックCPU:Ryzen 5 7535HS
メモリ:16GB
グラボ:RTX 4060
VRAM:8GB
SSD:500GB (NVMe)
解像度1920×1080
サイズ
重量
15.6インチ
約2.10kg
公式サイトNEXTGEAR J6-A5G60GN-A


GPUはRTX4060、VRAMは8GB。

正直、Stable Diffusion用のパソコンとしては心もとないですが、外出時に少しだけStable Diffusionを触るくらいの用途であれば、この性能でも大丈夫です。

ただし、あくまで入門用という感じです。Stable Diffusionを使いこなしたい方や、大量の画像生成をしたい方には物足りない性能。

AIイラストを10枚ほど同時生成すると、1分ほどかかります。

サイズや画質を上げすぎるとエラーが出てしまう可能性がありますが、デフォルト状態のStable Diffusionであれば、日常的にも快適に使用できます。



価格384,800円
OSWindows
スペックCPU:Core i7-13700HX
メモリ:32GB
グラボ:GeForce RTX 4080
VRAM:12GB
SSD:1TB (NVMe)
解像度2560×1440
サイズ
重量
17.3インチ
約3.44kg
公式サイトSENSE-17WG181-i7-VL2X icon


グラボはGeForce RTX 4080で、VRAMが12GB。

AIイラスト生成を同時に複数枚しても、サイズや画質を高めても、すぐに美麗なイラストを完成させてくれます。

モニターの解像度が高く、AIイラストの鑑賞はもちろん、YouTubeなどの動画視聴でも快適に楽しめます。

AIイラスト生成において、ノートパソコンの中でもかなり高い性能を誇ります。

コストパフォーマンスにも優れ、持ち運びも軽々こなせる高性能ノートパソコンです。




ノートPC3

icon icon 【パソコン工房】SENSE-17WG191-i9-XLSX icon


価格449,700円
OSWindows
スペックCPU:Core i9-13900HX
メモリ:32GB
グラボ:GeForce RTX 4090
SSD:500GB (NVMe)
解像度2560×1440
サイズ
重量
17.3インチ
約3.44kg
公式サイトSENSE-17WG191-i9-XLSX icon


SENSE-17WG191-i9-XLSX。

グラボはGeForce RTX4090、VRAMは16GB。

市販のノートパソコンでは、これ以上の性能を持ったパソコンはありません。

短時間かつ高解像度のAIイラスト生成を実現します。


サイズや画質を上げても、このスペックであればエラーが出てしまう心配はありません。

外出先にも持ち運ぶことができ、Stable Diffusion用のノートPCとして最高のパソコンです。

ストレージ容量が500GBと少なめなので、カスタマイズ画面で増量することをオススメします。
500GB⇒2TB(+20,900円)



Stable Diffusion用PCにはグラボ性能が重要

Stable Diffusionは、グラフィックを司るグラフィックボードの性能が最重要です。

PCゲームや動画編集などの用途に比べると、VRAMの容量が必要なことも忘れてはいけません。

登場したばかりのStable Diffusionですが、すでに世界中で広く認知・利用されています。

趣味の領域にとどまらず、仕事などの商用としても大きな可能性を秘めたStable Diffusion。


本記事で、最適なパソコンを選び、AIイラストの世界を楽しむための一助になれれば幸いです。



Stable Diffusionにおすすめのグラフィックボードについての記事もあります。もしよければご覧ください。


【関連記事】

ご自身で選択したい方は

Stable Diffusionに使用するパソコンをご自身で選びたい方は、BTO(Build To Order)メーカーからの選択がおすすめです。

以下のBTOメーカーがコスパ・品質ともに優れており、おすすめです。ボタンをクリック・タッチで公式サイトに飛べますので、良ければご利用ください。


【公式サイト】
マウスコンピューター …………商品数が多く、一部にとても安いパソコンが売られるケースがあります。乃木坂46のCMでも有名ですね。現在は、ホラン千秋さんやマツコ・デラックスさんが広告塔を務めていらっしゃるようです。


パソコン工房 …………老舗のBTOメーカー。価格はBTOメーカーでも最安の部類。昔からの根強いファンがいらっしゃる印象があり、個人的にはマウスコンピューターと並んでオススメのBTOメーカー。


ツクモ ……TSUKUMO(ツクモ)。期間限定のセールを積極的に行っている印象。



本サイトには、BTOメーカーの比較・おすすめ記事もあります。興味がある方は、以下のBTO比較記事もご参照いただければと思います。


【BTO比較記事】




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